妊娠中の SARS-CoV-2 ワクチン接種は周産期有害事象リスクを増加させない
- 2022.03.11(Fri)
- No.3502
妊娠中の SARS-CoV-2 ワクチン接種は周産期有害事象リスクを増加させない
"Association of COVID-19 Vaccination in Pregnancy With Adverse Peripartum Outcomes."
doi:10.1001/jama.2022.4255
カナダのオンタリオ州におけつ2020年12月から2021年9月までの全出生97,590例について、SARS-CoV-2 ワクチン接種が周産期の転帰におよぼす影響を後向に検討した。
● 97,590例の平均年齢は31.9%。妊娠中に少なくとも1回のCOVID-19ワクチンの接種を受けたものは22,660例 (23%) で、ワクチン種別は mRNAワクチン が99.8%、妊娠第3期に接種を受けたものが63.6%だった。
● 妊娠中ワクチン接種者と妊娠後ワクチン接種者 (44,815例) を比較して、妊娠中ワクチン接種者に産後出血、絨毛膜羊膜炎、帝王切開出産、NICU 入院、低アプガースコアのリスク増加はなかった。
・産後出血:妊娠中ワクチン接種者3.0% vs 妊娠後ワクチン接種者3.0%、リスク比0.91 (95% CI 0.82-1.02)
・絨毛膜羊膜炎:妊娠中ワクチン接種者0.5% vs 妊娠後ワクチン接種者0.5%、リスク比0.92 (95% CI 0.70-1.21)
・帝王切開出産:妊娠中ワクチン接種者30.8% vs 妊娠後ワクチン接種者32.2%、リスク比0.92 (95% CI 0.89-0.95)
・NICU 入院:妊娠中ワクチン接種者11.0% vs 妊娠後ワクチン接種者13.3%、リスク比0.85 (95% CI 0.80-0.90)
・低アプガースコア:妊娠中ワクチン接種者1.8% vs 妊娠後ワクチン接種者2.0%、リスク比0.84 (95% CI 0.73-0.97)
● 妊娠中ワクチン接種者とワクチン非接種者 (30,115例) を比較して、妊娠中ワクチン接種者に産後出血、絨毛膜羊膜炎、帝王切開出産、NICU 入院、低アプガースコアのリスク増加はなかった。
・産後出血:妊娠中ワクチン接種者3.0% vs ワクチン非接種者3.4%、リスク比0.90 (95% CI 0.81-1.00)
・絨毛膜羊膜炎:妊娠中ワクチン接種者0.5% vs ワクチン非接種者0.3%、リスク比1.20 (95% CI 0.90-1.59)
・帝王切開出産:妊娠中ワクチン接種者30.8% vs ワクチン非接種者28.5%、リスク比0.97 (95% CI 0.94-1.00)
・NICU 入院:妊娠中ワクチン接種者11.0% vs ワクチン非接種者12.8%、リスク比0.92 (95% CI 0.87-0.96)
・低アプガースコア:妊娠中ワクチン接種者1.8% vs ワクチン非接種者2.0%、リスク比0.88 (95% CI 0.77-1.01)