SARS-CoV-2 オミクロン株による有症状感染に対する mRNA ワクチン2回接種の有効性は
- 2022.03.03(Thu)
- No.3500
SARS-CoV-2 オミクロン株による有症状感染に対する mRNA ワクチン2回接種の有効性はデルタ株より低く、ワクチン接種から25週以降には大きく低下する。ブースター接種によりオミクロン株への有効性は増加するが、デルタ株と比べ10週以降での低下が大きい 。
"Covid-19 Vaccine Effectiveness against the Omicron (B.1.1.529) Variant."
DOI: 10.1056/NEJMoa2119451
英国において、オミクロンおよびデルタ変異株に対する新型コロナワクチンの有効性を test-negative case–control design で検討した。ワクチンの有効性は、BNT162b2 (ファイザー社)、ChAdOx1 nCoV-19 (アストラゼネカ社)、mRNA-1273 (モデルナ社) のいずれかを2回接種後と、ブースター接種後に解析した。
● 対象は2021年11月27日から2022年1月12日の期間に、オミクロン株感染が確認された886,774例、デルタ株感染が確認された204,154例、test-negative control の1,572,621例。
● ワクチン2回接種から2-4週後の有症状感染に対する効果は、デルタ株よりオミクロン株で低かった。
・ChAdOx1 nCoV-19 2回接種から2-4週間のワクチン有効性
デルタ株82.8%、オミクロン株48.9%
・BNT162b2 2回接種から2-4週間のワクチン有効性
デルタ株90.9%、オミクロン株65.5%
・mRNA-1273 2回接種から2-4週間のワクチン有効性
デルタ株94.5%、オミクロン株75.1%
● 有症状感染に対するワクチン2回接種の効果は、25週以降大きく低下した。
・ChAdOx1 nCoV-19 2回接種から25週以降のワクチン有効性
デルタ株43.5%、オミクロン株-2.7%
・BNT162b2 2回接種から25週以降のワクチン有効性
デルタ株62.7%、オミクロン株8.8%
・mRNA-1273 2回接種から25週以降のワクチン有効性
デルタ株80.4%、オミクロン株14.9%
● ブースター接種により有症状感染に対するの効果は増加するが、あらゆる組み合わせでデルタ株よりオミクロン株で低かった。
・ChAdOx1 nCoV-19 2回接種 → BNT162b2 ブースター接種から2-4週間のワクチン有効性
デルタ株95.4%、オミクロン株62.4%
・ChAdOx1 nCoV-19 2回接種 → mRNA-1273 ブースター接種から2-4週間のワクチン有効性
デルタ株97.0%、オミクロン株70.1%
・ChAdOx1 nCoV-19 2回接種 → ChAdOx1 nCoV-19 ブースター接種から2-4週間のワクチン有効性
デルタ株82.3%、オミクロン株55.6%
・BNT162b2 2回接種 → BNT162b2 ブースター接種から2-4週間のワクチン有効性
デルタ株95.1%、オミクロン株67.2%
・BNT162b2 2回接種 → mRNA-1273 ブースター接種から2-4週間のワクチン有効性
デルタ株96.6%、オミクロン株73.9%
・mRNA-1273 2回接種 → BNT162b2 ブースター接種から2-4週間のワクチン有効性
デルタ株94.7%、オミクロン株64.9%
・mRNA-1273 2回接種 → mRNA-1273 ブースター接種から2-4週間のワクチン有効性
デルタ株96.4%、オミクロン株66.3%
● ブースター接種によるオミクロン株による有症状感染への効果は、デルタ株と比べて10週以降で大きく低下した。
・ChAdOx1 nCoV-19 2回接種 → BNT162b2 ブースター接種から10週以降のワクチン有効性
デルタ株88.1%、オミクロン株39.6%
・ChAdOx1 nCoV-19 2回接種 → mRNA-1273 ブースター接種から10週以降のワクチン有効性
デルタ株94.9%、オミクロン株60.9%
・ChAdOx1 nCoV-19 2回接種 → ChAdOx1 nCoV-19 ブースター接種から10週以降のワクチン有効性
デルタ株83.3%、オミクロン株46.7%
・BNT162b2 2回接種 → BNT162b2 ブースター接種から10週以降のワクチン有効性
デルタ株89.9%、オミクロン株45.7%