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言いたい放題乳腺外科コラム

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リンパ節転移陽性閉経後乳がんは化学療法不要
  • 2020.12.17(Thu)
  • No.3402

年齢および21遺伝子アッセイ(Oncotype DX乳がん再発スコア検査)に基づき算出された再発スコア(Recurrence Score;RS)により、腋窩リンパ節転移陰性のホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性早期乳がんにおいて、内分泌療法に対する化学療法の上乗せ効果を予測できることが示されている。米・Glenn Family Breast Center at Winship Cancer Institute of Emory UniversityのKevin Kalinsky氏らは、第?相ランダム化比較試験RxPONDERの結果から、腋窩リンパ節転移陽性例でもRSと閉経状態により術後化学療法の上乗せ効果を予測でき、また閉経後乳がんでは術後化学療法の上乗せ効果は認められないことを第43回サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS 2020、12月8〜11日、ウェブ開催)で報告した.

腋窩リンパ節転移陰性のHR陽性HER2陰性早期乳がんを対象としたランダム化比較試験TAILORxの探索的解析では、年齢50歳以下でRSが16〜25の症例では化学療法の上乗せ効果が期待できるが、年齢50歳以上でRSが25以下の症例では化学療法の上乗せは効果が期待できないことが示されている(N Engl J Med 2018; 379:111-121)。しかし、腋窩リンパ節転移陽性乳がんに対しても同様か否かは不明である。一方、第?相ランダム化比較試験SWOG(South West Oncology Group)-8814における後ろ向き解析では、閉経後のHR陽性腋窩リンパ節転移陽性乳がん患者において、低RS症例では化学療法の上乗せは効果が期待できないことが示されている(Lancet Oncol 2010;11: 55-65)。

 第?相ランダム化比較試験RxPONDERは、腋窩リンパ節転移陽性のHR陽性HER2陰性早期乳がんにおいて、内分泌療法に対する化学療法の上乗せ効果をRS別に前向きに検討することを目的に行われた。

 対象は、RSが25以下で遠隔転移がなくリンパ節転移は1〜3個、タキサン系抗がん薬および/またはアンスラサイクリン系抗がん薬による術後補助化学療法が実施可能な5,083例。術後補助療法として内分泌療法のみを行う群(内分泌療法単独群、2,536例)と内分泌化学療法を行う群(化学療法併用群、2,547例)に1対1でランダムに割り付けられた。内分泌療法単独群、化学療法併用群ともに66.8%が閉経後で、RSスコア低値(0〜13)はそれぞれ42.7%、42.9%だった。

 化学療法の上乗せ効果は無浸潤疾患生存期間(iDFS)により評価し、RSの上昇に伴い化学療法の効果が増強すると仮説された。Cox比例ハザードモデルによりRSと化学療法がiDFSに与える影響を検証し、有意差が認められればRS 0〜25は腋窩リンパ節転移陽性の早期乳がんに対する化学療法の上乗せ効果を予測する因子であるとされた。なお、有意差が認められない場合は閉経状態を調整して再度検証すると事前に決められていた。

 今回の中間解析において、全症例の検討では、RS 25以下はiDFSで示される化学療法の有効性を予測しなかった〔ハザード比(HR)1.02、95%CI 0.98〜1.06、P=0.30〕。なお、交互作用項を除外すると、化学療法の上乗せはiDFSイベントの減少と関連し(HR 0.81、同0.67〜0.96、P=0.026)、RSの上昇はiDFSイベントの増加と関連していた(HR 1.06、同1.04〜1.07、P<0.001)。

 閉経状態別の検討では、閉経後症例の5年無浸潤疾患生存率は内分泌療法単独群の91.9%に対し化学療法併用群では91.6%と差はなかったが(HR 0.97、95%CI 0.78〜1.22、P=0.82)、閉経前症例では内分泌療法単独群の89.0%に対し化学療法併用群では94.2%と有意に延長していた

サブグループ解析においても、閉経前症例では化学療法併用群はおおむねiDFSが良好で、45歳未満、45〜49歳、50歳以上のいずれのサブグループでも化学療法併用群で成績が良かった。

 RSスコア低値(0〜13)と高値(14〜25)別の5年無浸潤疾患生存率については、閉経後症例ではいずれも有意差はなかったが、RSスコア低値の閉経前症例では内分泌療法単独群の92.6%に対して化学療法併用群は96.5%(群間差3.9%ポイント、HR 0.46、95%CI 0.22〜0.97、P=0.04)、高値はそれぞれ86.6%、92.8%と有意な差が認められた(群間差6.2%ポイント、HR 0.57、95%CI 0.39〜0.84、P=0.005)。

 リンパ節転移数別(1個 vs. 2〜3個)の5年無浸潤疾患生存率の検討では、閉経後症例はいずれも差がなかったが、リンパ節転移が1個の閉経前症例では内分泌療法単独群の89.2%に対して化学療法併用群は94.4%(群間差5.2%ポイント、HR 0.50、95%CI 0.32〜0.77、P=0.002)、リンパ節転移が2〜3個ではそれぞれ88.7%、93.8%だった(群間差5.1%ポイント、HR 0.58、95%CI 0.34〜1.02、P=0.057)。

 中間解析であるためイベント数が不足しているものの、全生存率についても閉経前症例で差が認められた。5年全生存率は内分泌療法単独群の97.3%に対して化学療法併用群は97.3%(HR 0.47、95%CI 0.24〜0.94、P=0.032)で、群間差は1.3%ポイントだった。

 以上の結果から、Kalinsky氏は「RSが0〜25で腋窩リンパ節転移陽性の閉経前HR陽性HER2陰性早期乳がん症例では内分泌療法に対する化学療法の上乗せ効果が示されたが、閉経後症例では上乗せ効果が認められなかったことから、後者の症例では術後化学療法を省略しうる」と結論した。