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言いたい放題乳腺外科コラム

不定期に当院の今日の乳がん・乳がん検診乳腺外科診療におけるコラムを掲載しております。

家族歴のある女性に対する MRI 検診はマンモグラフィ検診
  • 2019.06.24(Mon)
  • No.3058

家族歴のある女性に対する MRI 検診はマンモグラフィ検診と比較してがん発見数が多く、MRI 発見浸潤がんは1cm以下のもの、リンパ節転移陰性のものが多い。しかし、MRI 検診はマンモグラフィ検診と比較して偽陽性率が高い 。

"MRI versus mammography for breast cancer screening in women with familial risk (FaMRIsc): a multicentre, randomised, controlled trial."
https://www.thelancet.com/…/PIIS1470-2045(19)3027…/fulltext…
https://doi.org/10.1016/S1470-2045(19)30275-X

オランダ。FaMRIsc study は、乳がん家族歴に基づく Claus モデルにより生涯乳がん累積罹患リスクが20%以上と判定され、BRCA1 / BRCA2 / TP53 に遺伝子変異を認めない30-55歳の女性を対象に、マンモグラフィ検診と MRI 検診の成績を比較する無策比較試験である。MRI 群では毎年 MRI +触診および2年毎マンモグラフィが実施、マンモグラフィ群では毎年マンモグラフィ+触診が実施された。主観察項目は、乳がん発見数 (非浸潤がん・浸潤がんいずれも含む)、大きさ、リンパ節転移状況とした。
●対象は1,354例で MRI 群に674例・マンモグラフィ群に680例 (平均年齢は MRI 群49.4歳・マンモグラフィ群50.0歳) が割り付けられた。両群の平均検診回数は4.3回、観察期間中央値は5.2年であった。
●全期間を通じた発見乳がんの状況
 ・がん発見数:MRI 群40例・マンモグラフィ群15例で、MRI 群が多かった (p=0.0017)。このうち非浸潤がんは MRI 群16例・マンモグラフィ群7例、浸潤がんは MRI 群24例・マンモグラフィ群8例であった。
 ・浸潤がんの腫瘍径:MRI 群9mm・マンモグラフィ群17mmで、MRI 群が小さかった (p=0.010)。
 ・浸潤がんのT ステージ:腫瘍径1cm以下はMRI 群14例 (58%)・マンモグラフィ群6例 (13%)で、MRI 群で多い傾向であった (p=0.065)。
 ・浸潤がんのリンパ節転移陽性:MRI 群4例 (17%)・マンモグラフィ群5例 (63%)で、MRI 群が少なかった (p=0.023)。
●2回目以降の検診発見浸潤がんの状況
 ・がん発見数:2回目以降の検診で MRI 群25例・マンモグラフィ群15例のがんが発見された。このうち非浸潤がんは MRI 群7例・マンモグラフィ群7例、浸潤がんは MRI 群18例・マンモグラフィ群8例であった。
 ・浸潤がんのT ステージ:腫瘍径1cm以下はMRI 群12例 (48%)・マンモグラフィ群1例 (7%)で、MRI 群で多かった (p=0.035)。
 ・浸潤がんのリンパ節転移陽性は MRI 群2例 (11%)・マンモグラフィ群5例 (63%)で、MRI 群が少なかった (p=0.014)。
●検診プロセス指標
 ・がん発見数:1,000検診あたりMRI 14.2・マンモグラフィ14.9 (p=0.0003)
 ・検診発見数:1,000検診あたりMRI 13.9・マンモグラフィ42 (p=0.00012)
 ・検診発見浸潤がん:1,000検診あたりMRI 8.2・マンモグラフィ2.0 (p=0.001)
 ・検診発見非浸潤がん:1,000検診あたりMRI 5.7・マンモグラフィ2.3 (p=0.058)
 ・中間期がん:MRI 1例・マンモグラフィ2例、1,000人年あたりMRI 0.3・マンモグラフィ0.6 (p=1.00)
 ・要生検:1,000検診あたりMRI 53.0・マンモグラフィ17.6 (p<0.0001)
 ・偽陽性:1,000検診あたりMRI 159.7・マンモグラフィ89.8 (p<0.001)
 ・敏感度:MRI 97.5%・マンモグラフィ86.7% (p=0.18)
 ・特異度:MRI 83.8%・マンモグラフィ91.0% (p<0.0001)
 ・陽性反応適中率 (BI-RADS≧3):MRI 8.0%・マンモグラフィ4.5% (p=0.074)
 ・陽性反応適中率 (生検):MRI 26.8%・マンモグラフィ27.8% (p=1.00)

ベルーガクリニックの知識

ベルーガクリニックは、このような国内でエビデンスを基づく適切な診療を行う全国トップクラスの専門医の知識を終結し、日々web会議を行っております。

長谷川善枝先生
弘前市立病院 乳腺外科科長
弘前大学医学部臨床教授
日本乳癌学会評議員
大地哲也先生
東京女子医科大病院
外科 助教
日本乳癌学会専門医
日本乳癌学会評議員
吉村吾郎先生
市立岸和田市民病院
乳腺外科 部長
日本乳癌学会評議員
原文堅先生
国立病院機構
四国がんセンター
乳腺科・化学療法科
がん薬物療法専門医
日本乳癌学会評議員
飛田陽先生
鹿児島大学 大学院
医歯学総合研究科
腫瘍学講座
病理学分野 准教授
日本乳癌学会評議員
柴田伸弘先生
宮崎大学医学部付属病院
がん診療部 助教
がん薬物療法専門医
日本乳癌学会専門医