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言いたい放題乳腺外科コラム

不定期に当院の今日の乳がん・乳がん検診乳腺外科診療におけるコラムを掲載しております。

ホルモンレセプター陽性 / HER2 陰性 / 腋窩リンパ節転移陰性
  • 2019.06.11(Tue)
  • No.3045

ホルモンレセプター陽性 / HER2 陰性 / 腋窩リンパ節転移陰性で21-gene recurrence-score が11-25の乳がん症例において、腫瘍径とグレードに基づく臨床的予後因子は化学療法必要例の選別に有用であり、特に50歳未満例でその有用性が大きい 。

"Clinical and Genomic Risk to Guide the Use of Adjuvant Therapy for Breast Cancer."
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1904819…
https://DOI: 10.1056/NEJMoa1904819

The prospective Trial Assigning Individualized Options for Treatment (TAILORx) は、ホルモンレセプター陽性 / HER2 陰性 / 腋窩リンパ節転移陰性の乳がん9,427例を対象に、21-gene recurrence-score (RS) 別に10以下ではホルモン療法単独、11-25ではホルモン療法単独とホルモン療法+化学療法に無作為化、16以上ではホルモン療法+化学療法とし、その成績を比較する試験。本検討では RS に臨床的予後因子を追加する意義を検討した。臨床的予後因子は低リスクを腫瘍径3cm以下でグレード1 / 腫瘍径2cm以下でグレード2 / 腫瘍径1cm以下でグレード3、高リスクを上記以外と定義した。
●9,427例中、臨床的低リスク例は6,615例 (70.2%)・臨床的高リスク例は2,812例 (29.8%) であった。臨床的低リスク6,615例中の RS 26以上は589例 (8.9%)、臨床的高リスク2,812例中の RS 26以上は770例 (27.4%) であった。試験登録時閉経前 / RS 11以上で行われたホルモン療法は tamoxifen が78% (35% は aromatase inhibitor [AI] にクロスオーバー)、卵巣機能抑制治療単独あるいは AI 併用が13%、AI 単独が7%であった。
●RS 11-25 でホルモン療法単独症例における臨床的低リスクと比較した臨床的高リスクの遠隔転移ハザード比は2.73 (95% CI 1.93 to 3.87)、RS 11-25 でホルモン療法+化学療法例における臨床的低リスクと比較した臨床的高リスクの遠隔転移ハザード比は2.41 (95% CI 1.66 to 3.48)、RS 26以上でホルモン療法+化学療法例における臨床的低リスクと比較した臨床的高リスクの遠隔転移ハザード比は3.17 (95% CI 1.94 to 5.19) であり、いずれにおいても臨床的リスク分類は予後因子であった。
●51歳以上
○RS 10以下 (ホルモン療法単独)
 ・9年遠隔再発率は臨床的高リスク7.4±3.4%・臨床的低リスク2.6±0.8%、遠隔再発ハザード比2.20 (95% CI 0.95–5.08) であり、差はなかった。
○RS 11-25 (ホルモン療法単独とホルモン療法+化学療法に無作為化)
 ・ホルモン療法単独の9年遠隔再発率は臨床的高リスク9.3±1.9%・臨床的低リスク3.5±0.6%、遠隔再発ハザード比2.61 (95% CI 1.65–4.11) であり、臨床的高リスクの予後は不良であった。
 ・ホルモン療法+化学療法の9年遠隔再発率は臨床的高リスク8.3±1.5%・臨床的低リスク4.0±0.7%、遠隔再発ハザード比2.49 (95% CI 1.60–3.87) であり、臨床的高リスクの予後は不良であった。
○RS 26以上 (ホルモン療法+化学療法)
 ・9年遠隔再発率は臨床的高リスク19.8±3.9%・臨床的低リスク7.0±2.4、遠隔再発ハザード比3.35 (95% CI 1.82–6.14) であり、臨床的高リスクの予後は不良であった。
●50歳以下
○RS 10以下 (ホルモン療法単独)
 ・9年遠隔再発率は臨床的高リスク0%・臨床的低リスク1.8±0.9%、差はなかった。
○RS 11-25 (ホルモン療法単独とホルモン療法+化学療法に無作為化)
 ・ホルモン療法単独の9年遠隔再発率は臨床的高リスク12.3±2.4%・臨床的低リスク4.7±1.0%、遠隔再発ハザード比3.61 (95% CI 1.78–5.25) であり、臨床的高リスクの予後は不良であった。
 ・ホルモン療法+化学療法の9年遠隔再発率は臨床的高リスク6.1±1.8%・臨床的低リスク3.9±1.0%、遠隔再発ハザード比2.20 (95% CI 1.10–4.40) であり、臨床的高リスクの予後は不良であった。
○RS 26以上 (ホルモン療法+化学療法)
 ・9年遠隔再発率は臨床的高リスク15.2±3.3%・臨床的低リスク6.2±2.5%、遠隔再発ハザード比2.87 (95% CI 1.23–6.65) であり、臨床的高リスクの予後は不良であった。

ベルーガクリニックの知識

ベルーガクリニックは、このような国内でエビデンスを基づく適切な診療を行う全国トップクラスの専門医の知識を終結し、日々web会議を行っております。

長谷川善枝先生
弘前市立病院 乳腺外科科長
弘前大学医学部臨床教授
日本乳癌学会評議員
大地哲也先生
東京女子医科大病院
外科 助教
日本乳癌学会専門医
日本乳癌学会評議員
吉村吾郎先生
市立岸和田市民病院
乳腺外科 部長
日本乳癌学会評議員
原文堅先生
国立病院機構
四国がんセンター
乳腺科・化学療法科
がん薬物療法専門医
日本乳癌学会評議員
飛田陽先生
鹿児島大学 大学院
医歯学総合研究科
腫瘍学講座
病理学分野 准教授
日本乳癌学会評議員
柴田伸弘先生
宮崎大学医学部付属病院
がん診療部 助教
がん薬物療法専門医
日本乳癌学会専門医