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言いたい放題乳腺外科コラム

不定期に当院の今日の乳がん・乳がん検診乳腺外科診療におけるコラムを掲載しております。

HER2 陽性 stage 2-3 乳がんの術前後薬物療法において
  • 2019.06.10(Mon)
  • No.3044

HER2 陽性 stage 2-3 乳がんの術前後薬物療法において、docetaxel + carboplatin + trastuzumab + pertuzumab と比較して trastuzumab emtansine + pertuzumab は event-free survival (EFS) が不良。 Trastuzumab emtansine + pertuzumab における EFS event の内訳は手術前病状進行が大半を占める 。

"Neoadjuvant Trastuzumab Emtansine and Pertuzumab in Human Epidermal Growth Factor Receptor 2–Positive Breast Cancer: Three-Year Outcomes From the Phase III KRISTINE Study."
https://ascopubs.org/doi/abs/10.1200/JCO.19.00882
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/

KRISTINE study は、HER2 陽性 stage 2-3 乳がんの術前後薬物療法において、trastuzumab emtansine + pertuzumab (T-DM1+P) と docetaxel + carboplatin + trastuzumab + pertuzumab (TCH+P) の成績を比較する無作為比較試験。本研究では3年フォローアップの結果を報告。
●444例が T-DM1+P 群223例と TCH+P 群221例に割り付けられた。年齢中央値は T-DM1+P 群50歳・TCH+P 群49歳、ホルモンレセプター陽性は T-DM1+P 群62.3%・TCH+P 群62.0%、clinical stage 2A-3A は T-DM1+P 群83.4%・TCH+P 群82.8%であった。
●観察期間中央値は T-DM1+P 群36.8ヶ月・TCH+P 群36.9ヶ月。
 ・3年 event-free survival (EFS) は T-DM1+P 群85.3%・TCH+P 群94.2%、TCH+P と比較した T-DM1+P の EFS event ハザード比は2.61 (95% CI 1.36 to 4.98)、 T-DM1+P 群で高率だった。EFS の内訳は、手術前 progression event が T-DM1+P 群6.7%・TCH+P 群0%、手術後非浸潤がん event が T-DM1+P 群1.3%・TCH+P 群0%であった。
 ・3年 invasive disease-free survival (IDFS; measured from surgery) は T-DM1+P 群93.0%・TCH+P 群92.0%、TCH+P と比較した T-DM1+P の IDFS event ハザード比は1.11 (95% CI 0.52 to 2.40)。
 ・3年 overall survival (OS) は T-DM1+P 群97.0・TCH+P 群97.6%、TCH+P と比較した T-DM1+P の OS event ハザード比は1.21 (95% CI 0.37 to 3.96)。
●非 pathologic complete response (pCR) 例と比較した pCR 例の IDFS event ハザード比は0.24 (95% CI, 0.09 to 0.60) であり、治療方法による差はなかった。
●全期間を通じたグレード3以上有害事象頻度は T-DM1+P 群31.8%・TCH+P 群67.7%であり、T-DM1+P 群で低率であった。術前治療期間におけるグレード3以上有害事象頻度は T-DM1+P 群13.0%・TCH+P 群64.4%であり、T-DM1+P 群で低率であった。術後治療期間におけるグレード3以上有害事象頻度は T-DM1+P 群24.5%・TCH+P 群9.9%であり、T-DM1+P 群で高率であった。
●全期間を通じた治療中断に到る有害事象頻度は T-DM1+P 群20.2%・TCH+P 群4.6%であり、T-DM1+P 群で高率であった。術前治療期間における治療中断に到る有害事象頻度は T-DM1+P 群3.1%・TCH+P 群5.0%であった。術後治療期間における治療中断に到る有害事象頻度は T-DM1+P 群18.4%・TCH+P 群2.4%であり、T-DM1+P 群で高率であった。

ベルーガクリニックの知識

ベルーガクリニックは、このような国内でエビデンスを基づく適切な診療を行う全国トップクラスの専門医の知識を終結し、日々web会議を行っております。

長谷川善枝先生
弘前市立病院 乳腺外科科長
弘前大学医学部臨床教授
日本乳癌学会評議員
大地哲也先生
東京女子医科大病院
外科 助教
日本乳癌学会専門医
日本乳癌学会評議員
吉村吾郎先生
市立岸和田市民病院
乳腺外科 部長
日本乳癌学会評議員
原文堅先生
国立病院機構
四国がんセンター
乳腺科・化学療法科
がん薬物療法専門医
日本乳癌学会評議員
飛田陽先生
鹿児島大学 大学院
医歯学総合研究科
腫瘍学講座
病理学分野 准教授
日本乳癌学会評議員
柴田伸弘先生
宮崎大学医学部付属病院
がん診療部 助教
がん薬物療法専門医
日本乳癌学会専門医