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言いたい放題乳腺外科コラム

不定期に当院の今日の乳がん・乳がん検診乳腺外科診療におけるコラムを掲載しております。

閉経後ホルモンレセプター陽性乳がんにおいて
  • 2018.12.01(Sat)
  • No.2870

閉経後ホルモンレセプター陽性乳がんにおいて、ホルモン療法5年後の letrozole 5年投与は disease-free survival を改善しない 。

"Use of letrozole after aromatase inhibitor-based therapy (NRG Oncology/NSABP B-42): a randomised, double-blind, placebo-controlled phase 3 trial."
https://www.thelancet.com/…/PIIS1470-2045(18)3062…/fulltext…

NSABP B-42 は、閉経後ホルモンレセプター陽性の stage 1-3A 乳がんで、術後5年間の aromatase inhibitor あるいは tamoxifen 投与後に無再発の症例を、letrozole 5年間と placebo 5年間に振り分け、その成績を比較する無作為比較試験である。主観察項目は disease-free survival (DFS;無作為化から乳がん / 二次発がん / 死亡までの期間) とした。事前設定した DFS 有意差はp値は0.0418。副観察項目は breast cancer free interval (BCFI)、遠隔再発、overall survival、動脈血栓イベント
●対象は3,966例で、letrozole 群・placebo 群ともに1,983例。両群の背景因子に差はみられず、60歳未満の割合は letrozole 群34.0%・placebo 群34.5%、pN0 は letrozole 群57.2%・placebo 群57.7%、無作為化前に tamoxifen 非投与例の割合は letrozole 群61.1%・placebo 群60.9%、乳房部分切除例の割合は letrozole 群60.9%・placebo 群60.6%、HER2 陽性例の割合は letrozole 群14.0%・placebo 群14.5%であった。無作為化前の aromatase inhibitor 投与期間は36ヶ月以下が letrozole 群20.8%・placebo 群20.1%、37-48ヶ月が letrozole 群9.7%・placebo 群10.4%、49-60ヶ月が letrozole 群50.0%・placebo 群48.9%、61ヶ月以上が letrozole 群19.5%・placebo 群20.5% であった。
●DFS 評価対象は3,903例で、letrozole 群1,950例・placebo 群1,953例。観察期間中央値は letrozole 群・placebo 群ともに59.8ヶ月。7年累積 DFS は letrozole 群84.7%・placebo 群81.3%、DFS event ハザード比は0.85 (95% CI 0.73–0.999; p=0.048)、有意差は認めなかった。
●7年累積 BCFI は letrozole 群6.7%・placebo 群10.0%、BCFI event ハザード比は0.71 (95% CI 0.56–0.89; p=0.0027)、letrozole 群の成績が良好であった。
●7年累積遠隔再発は letrozole 群3.9%・placebo 群5.8%、遠隔再発ハザード比は0.72 (95% CI 0.53–0.97; p=0.030)、letrozole 群の成績が良好であった。
●7年累積 overall survival(OS) は letrozole 群91.8%・placebo 群92.3%、OS event ハザード比は1.15 (95% CI 0.92–1.44; p=0.22)、有意差は認めなかった。
●7年累積動脈血栓イベントは letrozole 群3.4%・placebo 群4.0%、動脈血栓イベントハザード比は1.21 (95% CI 0.85–1.70; p=0.29)、有意差は認めなかった。
●グレード3以上有害事象は letrozole 群29%・placebo 群26%であった。高頻度グレード3有害事象は関節痛 (letrozole 群3%・placebo 群2%) と背部痛 (両群ともに2%) であった。Placebo 群で高頻度グレード4有害事象は血栓塞栓症で8例 (<1%) に認めた。Letrozole 群で頻度グレード4有害事象は尿路感染症、低カリウム血症、左室機能不全であった (いずれも<1%)。

ベルーガクリニックの知識

ベルーガクリニックは、このような国内でエビデンスを基づく適切な診療を行う全国トップクラスの専門医の知識を終結し、日々web会議を行っております。

長谷川善枝先生
弘前市立病院 乳腺外科科長
弘前大学医学部臨床教授
日本乳癌学会評議員
大地哲也先生
東京女子医科大病院
外科 助教
日本乳癌学会専門医
日本乳癌学会評議員
吉村吾郎先生
市立岸和田市民病院
乳腺外科 部長
日本乳癌学会評議員
原文堅先生
国立病院機構
四国がんセンター
乳腺科・化学療法科
がん薬物療法専門医
日本乳癌学会評議員
飛田陽先生
鹿児島大学 大学院
医歯学総合研究科
腫瘍学講座
病理学分野 准教授
日本乳癌学会評議員
柴田伸弘先生
宮崎大学医学部付属病院
がん診療部 助教
がん薬物療法専門医
日本乳癌学会専門医