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言いたい放題乳腺外科コラム

不定期に当院の今日の乳がん・乳がん検診乳腺外科診療におけるコラムを掲載しております。

妊娠期乳がん症例の予後は
  • 2017.03.11(Sat)
  • No.2394

妊娠期乳がん症例の予後は妊娠なし乳がん症例と差はない。乳がん診断より6ヶ月〜5年の間に妊娠した乳がん症例の予後は妊娠なし乳がん症例より良好である 。

カナダ、オンタリオ州のがん登録を用いて、診断時20歳から45歳までの浸潤性乳がん患者7,553例を対象に妊娠と予後の関係を検討した population-based retrospective cohort study。対象を乳がん診断前後5年間妊娠なし (妊娠なし乳がん群)、乳がん診断5年前から1年前までに妊娠あり (診断前妊娠乳がん群)、乳がん診断11ヶ月前から診断21ヶ月後までに妊娠あり (妊娠期乳がん群)、乳がん診断後22ヶ月から5年まで妊娠あり (診断後妊娠乳がん群) に分類した。主観察項目は5年 overall survival、妊娠なし乳がんと比較した年齢補正ハザード比および多変量補正ハザード比、妊娠なし乳がんと比較した年齢補正妊娠時期依存性ハザード比および多変量補正妊娠時期依存性ハザード比。多変量解析では診断年 / 年齢 / 腫瘍径 / リンパ節転移状況 / エストロゲン・レセプター発現状況 / プロゲステロン・レセプター発現状況 / HER2状況 / 化学療法の有無 / 放射線治療の有無について補正を行った。
●対象の平均年齢は39.1歳、年齢中央値は40歳。平均観察期間は5.2年 (range 0〜11.2年)。
7,553例中、妊娠なし乳がん群は5,832例 (77.2%)、診断前妊娠乳がん群は1,108例 (14.7%)、妊娠期乳がん群は501例 (6.6%)、診断後妊娠乳がん群は112例 (1.5%)。妊娠回数の内訳は1回が1202例 (15.9%)、2回が398例 (5.3%)、3回が121例 (1.6%)。妊娠状況の内訳は生児出生が1,302例 (17.2%)、死産が14例 (0.2%)、人工妊娠中絶が700例 (9.3%)。
●妊娠なし乳がん群と比較して、妊娠期乳がん群はステージ2〜4が多く (77.8% vs 71.5%; p < 0.001)、リンパ節転移陽性例が多く (52.1% vs 47.7%; p = 0.02)、エストロゲン・レセプター陰性乳がんが多く(36.5% vs 23.2%; p < 0.001)、トリプルネガティブ乳がんが多かった (27.3% vs 16.8%; p = 0.001)。
●人工妊娠中絶例を含む全対象7,553例の解析
 ○5年 overall survival rate は妊娠なし乳がん群 87.5% (95% CI 86.5-88.4)、診断前妊娠乳がん群 85.3% (95% CI 82.8-87.8)、妊娠期乳がん群 82.1% (95% CI 78.3-85.9)。
 ○妊娠なし乳がん群と比較した年齢補正 overall survival ハザード比
  ・診断前妊娠乳がん群:1.03 (95% CI 0.85-1.27; p = 0.73)
  ・妊娠期乳がん群: 1.18 (95% CI 0.91-1.53; p = 0.20)
 ○妊娠なし乳がん群と比較した多変量補正 overall survival ハザード比
  ・診断前妊娠乳がん群: 1.01 (95% CI 0.83-1.24; p = 0.90)
  ・妊娠期乳がん群:1.11 (95% CI 0.86-1.45; p = 0.41)
●人工妊娠中絶例を除外した生児出生あるいは死産例 (7,177例) における解析
 ○妊娠なし乳がん群と比較した年齢補正 overall survival ハザード比
  ・診断前妊娠乳がん群:1.12 (95% CI 0.90-1.38; p = 0.31)
  ・妊娠期乳がん群: 1.42 (95% CI 1.06-1.90; p = 0.02)
 ○妊娠なし乳がん群と比較した多変量補正 overall survival ハザード比
  ・診断前妊娠乳がん群: 1.08 (95% CI 0.87-1.34; p = 0.49)
  ・妊娠期乳がん群:1.24 (95% CI 0.92-1.66; p = 0.15)
●人工妊娠中絶例を除外した生児出生あるいは死産例における (6,244例)、妊娠なし乳がん群と比較した妊娠時期依存性ハザード比
 ○診断後6ヶ月から5年までの妊娠乳がん群の5年 overall survival rate は96.7%。
 ○妊娠なし乳がん群と比較した年齢補正 overall survival ハザード比
  ・診断前5年から4年の妊娠乳がん群:1.11 (95% CI 0.85-1.46; p = 0.43)
  ・診断前4年から3年の妊娠乳がん群:1.17 (95% CI 0.89-1.55; p = 0.27)
  ・診断前3年から2年の妊娠乳がん群:1.23 (95% CI 0.92-1.64; p = 0.16)
  ・診断前2年から1年の妊娠乳がん群:1.70 (95% CI 1.27-2.27; p = 0.0004)
  ・診断前1年から6ヶ月の妊娠乳がん群:1.01 (95% CI 0.60-1.69; p = 0.98)
  ・診断後6ヶ月から5年までの妊娠群:0.22 (95% CI 0.10-0.49; p = 0.0003)
 ○妊娠なし乳がん群と比較した年齢補正 overall survival ハザード比
  ・診断前5年から4年の妊娠乳がん群:1.13 (95% CI 0.87-1.48; p = 0.36)
  ・診断前4年から3年の妊娠乳がん群:1.22 (95% CI 0.92-1.61; p = 0.16)
  ・診断前3年から2年の妊娠乳がん群:1.12 (95% CI 0.84-1.50; p = 0.43)
  ・診断前2年から1年の妊娠乳がん群:1.48 (95% CI 1.11-1.98; p = 0.007)
  ・診断前1年から6ヶ月の妊娠乳がん群:1.10 (95% CI 0.65-1.85; p = 0.72)
  ・診断後6ヶ月から5年までの妊娠乳がん群:0.25 (95% CI 0.11-0.55; p = 0.0008)

ベルーガクリニックの知識

ベルーガクリニックは、このような国内でエビデンスを基づく適切な診療を行う全国トップクラスの専門医の知識を終結し、日々web会議を行っております。

長谷川善枝先生
弘前市立病院 乳腺外科科長
弘前大学医学部臨床教授
日本乳癌学会評議員
柏葉匡寛先生
ブレストピア宮崎病院
副院長
日本乳癌学会評議員
大地哲也先生
東京女子医科大病院
外科 助教
日本乳癌学会専門医
津川浩一郎先生
聖マリアンナ医科大学病院
乳腺・内分泌外科教授
日本乳癌学会理事
吉村吾郎先生
市立岸和田市民病院
乳腺外科 部長
日本乳癌学会評議員
原文堅先生
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四国がんセンター
乳腺科・化学療法科
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飛田陽先生
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病理専門医・細胞診専門医
柴田伸弘先生
宮崎大学医学部付属病院
がん診療部 助教
がん薬物療法専門医
日本乳癌学会専門医